ダンピング?

 おかゆ・やわらかく煮た(つまりノビた)うどん・あたたかい素麺、この3種類のローテションで何とか生きている状態。

 

 今日の昼にうどんを煮て、半分ほどを時間をかけて食べた。おとといも昨日も大丈夫だったのに、食べ終わってから5分ぐらいしたら急にムカムカしてきた。術後間もないのにリバースしたら胃が破れたりしないだろうかと心配したものの、どうもこれはどうにもならないとあきらめてトイレへ駆け込んだ。

 落ち着いてからネットで調べたら、術後の食事では毎回ダンピングに悩まされている人がたくさんいることを知った。食事が始まってから1週間以上経つが、初めての経験だったことを考えれば、私の症状は軽度らしい。一つ気付いたのは、もどした際に食道あたりが焼けた感じがしなかったこと。考えてみれば胃が小さくなっているので、その分胃液の量も少なくなっていて当たり前かと理解した。

 結局、胃が小さくなっていて胃液が少ないのなら、食べたものの消化能力はかなり減っているのだろう。食べる量が減っていて、かつ消化能力が減っているとなれば、吸収できる栄養は当然激減しているのだから体重の減少が止まらないのも無理はなのかと納得するも、ものすごく不安に駆られる。

 

 早く体重の減少がとまらないかなぁ。

退院

 無事に家に帰ってきた。病院を出てから駅までの距離は2~300M程だけれど、体力がないせいか長く感じた。「昨日、外を歩く練習をしておいて良かった」と思った。外の日差しは強く、夏であることを久しぶりに実感した。とは言っても2週間ほどだけど。

 駅で電車を待つ時間が長く感じる。「座れるのかな?」これが心配だった。たぶん大丈夫だろうけど、途中で倒れたらイヤなので優先席でも遠慮なく、席が空いていたら座ろうと心に決めていた。

 結局、家の最寄り駅までは座ることが出来て、無事に到着。久しぶりに見る我が家は何も変わっていないにも関わらず、何かしら新鮮さを感じる。これって不思議なもので退院して帰ってくるといつも感じる。今回は大きな手術だったこともあったので、余計に感慨ひとしおだった。

 

 退院したことは嬉しいのだけれど、これからの食事のことを考えると、これが悩ましい。

・必要な分のカロリーが口から摂取できるのか?

・必要な分の栄養素が口から摂取できるのか?

何といっても食べられる絶対量が少ないので、これが心配。

 退院前に食事指導があって、栄養素と術後からの時間を軸にした食べ物表をいただいた。ラーメン・カレーライス・やきそばなどは半年ほど経たないとダメらしい。それとのりや昆布などの海藻類は腸閉塞を起こしやすいので絶対にダメと念を押された。まぁしばらくはお粥で生きていこうと思ってるからいいけど。油系がダメなのがつらいな。

術後8日目(病院外を散歩)

 昨日の食事が5分粥。そして今日の食事が全粥だった。

 

 昼過ぎにDrが様子伺いに来てくれて、ダンピングの症状などについて話した。ダンピングの症状について色々調べたものの、これといった症状がでたことはなく「順調です」と答えたところ、急きょDrから「明日退院していいよ」とのこと。突然のことだったので思わず「へっ?」という言葉が口から出てきた。

 少しだけではあるが病院内を散歩しているものの、外を歩くことに不安があるため「体を慣らしたいので、少しだけ外出してもよいですか?」と尋ねると、これもOKがでた。早速外出の準備に取り掛かる。窓から外を見ると、これでもかというぐらいの快晴。

 

 正面玄関で外出の手続きを済ませ外の空気に触れてみた。降り注ぐ太陽に包まれて開放感を味わう。と、いうのもつかの間、あまりもの暑さに少し眩暈を覚える。このまま散歩するのもためらったものの、折角の外出&リハビリなので、勇気を出して歩き出した。

 暑さに恐怖を覚えつつ200メートルほど歩いたところで倦怠感がやってきた。「あぁ体力ないんだなぁ」と実感。仕方がないのでガードレールに座って少し休む。大学が近いこともあって、大学生そして来年大学生になるであろう学生たちが私の目の前を通り過ぎていく。懐かしさを覚えながら、少しだけ幾年前のことを思い出した。

 暑さに幾分体も慣れてきたようなので、改めて歩き出す。次に私の興味を引いたのは、数々の飲食店から漂ってくる匂いだった。「外食できるようになるのかなぁ・・」少しだけ心が塞ぐ。

 

 やっとの思いで目的の本屋に到着。店内を物色するも体力がないせいか集中して本が選べない。本の購入が命題ではないため選ぶのをあきらめて帰途についた。往復で1kmほどの距離かと思う。時計をみたら1時間ほど要していた。

 

 今日はこれから退院後の食事についてレクチャーを受けるらしい。退院はうれしいが、家で生きていけるのかが心配。

術後7日目(遺伝子の優劣)

 起き上がる際の痛みがまだあるものの、口から食事が多少なりとも取れているせいか、少しずつ回復しているような実感がある。だけど体重はまだ減少中。

 点滴もドレーンも今日外れた。点滴が外れたことはうれしいのだけれども、これから生きていくのに必要な栄養素を口から摂取しなければならないことに対して正直ビビリが入る。どう考えても今まで食べてきた量の半分も食べられないし、水分だってゴクゴク飲める状態ではない。でもまぁDrがいいと言うからにはなんとかなるのだろうけどかなり不安。

 ドレーンを抜くときの感覚が面白かった。内臓を直接くすぐられているような感じがものすごく違和感だった。引き抜かれたドレーンは思ったより長く、抜かれた直後は血液や体液が付着していてチョット生々しい。でもこれでかなりの自由を得ることができた。

 

 病院生活にも慣れてきて少しだけモノを考える余裕がでたせいか、過去の自分の生活を振り返りガンになった経緯を振り返ってみた。

 確かに健康的な生活をしていたとは言えない部分は多々ある。ストレスも人並みにはあったと思う。ただし、暴飲暴食や不規則な生活はしていなかったはず。これといった特定するべき原因は見当たらない。

 結局ガンになるかどうかって、細胞が生まれ変わるときの遺伝子のコピーミスであって、確率の問題なのかなって。ただ、俗にいうストレスの過多や喫煙の有無って、その遺伝子のコピーミスを助長する可能性はあるのだろう。

 遺伝子のコピーミスが確率なのであれば、私自身は長生きに値しない確率にあたってしまったということだろう。医学の進歩によって幾らかの生きる時間を伸ばしてもらったが、本来は早死にする運命だったのかなって。別に悲観的に考えているわけではなく、遺伝子のコピーミスって良い結果を生む方にもあり得るわけだから、結果的にそうだったのだろうと受け止めてみた。

 と、まぁ優等生的な結論を無理やり引き出してみたが、やっぱり死ぬことって怖い。怖さを感じること自体も遺伝子のなせる業なのだろうけど。

術後6日目(術後の食事)

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  昨日の食事から3分粥だった。しばらく重湯だと思っていただけに少し驚く。三分粥ってどんな感じだろうと想像したけど、まぁ確かに三分粥だよなって感じ。また、恐るおそる食べてみると重湯の10倍はおいしい。米っておいしいんだなぁと改めて感じた。だけど反面食べることに対する怖さも付きまとう。Drが食べていいと言っているのだから大丈夫なんだろうけど、切除した縫合部から漏れたりしないの?とか、痛みがでたらどうしようとか不安に駆られる。

 そぼろ煮がおいしかった。病院食かつ術後のためかなり薄味なんだろうけど、醬油の風味が感じられて感動。やはり日本人なんだと思う。

 出された半分の量を30分かけてゆっくりと食べる。とりあえず痛みなどはなかった。摂取カロリーおよそ160Kcal。こんなカロリー量で生きていけるのか少し不安。