退院後の外来1(ガンの広がりを確認)

 ある意味今日の外来が、今回の出来事のメインイベントであろうと思う。

 

 病院に到着すると最初に採血をした。術後の状態と栄養状態の確認らしい。結果がでるまでに1時間ほどかかるため、外来の待合室でしばらく待たされた。

 

 名前を呼ばれてDrの部屋に入室すると、明るい笑顔で迎えてくれた。その笑顔を見て結果は良好なのかと安心したものの、どうやらそれはDrのデフォルトだったようで、「それでは結果を見てみましょう」と言われ、改めて緊張が走る。そう、摘出した部位におけるガンの広がりの確認だからだ。

 

 「それではプリントアウトしますね」Drも結果を確認していないらしい。日々忙しいだろうし、事前に確認しないものなのかと思いつつ、内科のDrは事前確認してから呼んだような気がしたことを思い出した。

 プリンタから結果が印刷されてくる。Drの説明はこうだった。

 血液検査の結果

 ・白血球 基準範囲

 ・栄養状態 基準範囲

 ・炎症状態 基準範囲

 病理検査の結果

 ・深達度 粘膜内

 ・リンパ内 見つからず

 ・静脈内 見つからず

 ・リンパ節転移 すべてで見つからず

 

 一安心。

 安堵とともに湧いてきた言葉は「これでしばらくは生きていられる」だった。手術前は身辺整理までして、それなりの覚悟をしていたし、さっきまでもその覚悟は揺らいでいなかったなずだが、やっぱり生きていくことに執着していたんだなと思った。

 

 うまく言葉にはできないが、しばらくの猶予を得たことが嬉しい。この時間を何に使おうか。