入院初日

 午前10時に病院着。受付で書類を渡すと病棟を指示され向かう。

 病棟は朝の食事も終わったせいか、何となく落ち着いた雰囲気に感じられた。ナースステーションで呼び鈴を押すと、担当の看護師さんがやってきた。デイルームで病棟での生活に必要な説明を受ける。その後自分のベッドに案内された。窓際がいいなと思っていたが願いかなわず出入り口に一番近い場所となる。まぁ、術後はモニター・点滴・ドレーンなど管理するべきものがたくさんあるから、あえて窓際にしたのかもしれないけど。

 荷物を整理したところで、レントゲンに行ってきてくれとの指示。「また?」とも思ったが、拒否できるはずもなく撮影。恐らく麻酔の針を刺すための確認なんだろう。

 

 昼食は普通食。まともな(量の)食事もこれを含めてあと2回かなどと思いながらいただいた。今後のことを考えると病院食ながら非常においしく感じられた。いや、最近の病院食はとてもおいしくなってきている気がする。だいたい、トレーに温かい部分と冷たい部分があるなんて、よくできていると感心する。

 

 午後3時頃麻酔科での問診。全麻だとは思っていたけど、硬膜外麻酔も併用するらしい。硬膜外麻酔を見たことはあるが自分にされるとは思っていなかった。これをするということは術後の痛みが強いんだろうなと少しビビリが増す。

 

 夕食前に剃毛と入浴、お腹をバリカンみたいなもので剃毛してくれっていわれたけど何もないしなと思いつつ、形ばかりだけどそのバリカンらしきものでまねごとをしてみる。あと臍の掃除をしてくれと綿棒と油?をバリカンと一緒に置いていった。腹部の手術って臍の掃除までするのねと新たな発見。ひととおり終わらせたところで、看護師さんが確認に登場。臍の掃除が不合格らしく看護師さんに徹底的にやり直された。あまりにしつこく丁寧にされるので少し痛んだ。そこまでやらなくてもと思いつつ感染症も怖いので我慢した。

 

 ある意味最後の晩餐後にDrから改めて手術の説明。精査した結果腹腔鏡で手術を行うらしい。それはそれでありがたいと思ったが、摘出した部分を取り出す際には鳩尾のあたりを5cmほど切開して取り出すらしい。どうせ切るなら開腹手術にすればいいじゃんとも思ったが口に出せるはずもなく「はぁ」と相槌を打つ。

 リスクの説明が長い。ニュースなどでも良く聞くトラブルがあった際の予防線なんだろうけど、うまくいって当然で少しのミスも許されない医療の仕事って大変だよなと妙なところで同情した。胃の切除は良くて1/2場合によっては2/3で、目視の結果全摘もあるとのこと。良きにお計らいくださいと心の中で呟いてみる。ひととおり説明が終わるとサインを求められた。まぁ何かあっても訴えるつもりもないのでサラッと署名。

 

 体重がかなり減るらしい。10%前後。体重が減るのはいいけど、体力も当然減るんだよなとそこが心配。心配したところで仕方ないけど、病人然りの風貌にはなりたくないななんて思ってみる。

 

 いよいよ明日か。あまり寝られないんだろうな。枕も変わったし。